さまざまな鼻先変形の矯正 #3 三角形の鼻孔(鼻の修正手術)

当院の特徴は、他院で受けた最初の手術がうまくいかず、
修正手術を受けるために来院される方が多いということです。
そのため患者様はさまざまな問題を抱えて来院されますが、なかでも「鼻先の変形」は鼻整形の領域でも
もっとも難しく、結果を出すのも容易ではない分野です。
その理由は、「鼻先の変形」が
i) その形が非常に多様で、3次元的に変形が現れるため複合的です。
ii) 発生の過程と原因も複合的で、「拘縮」、「繰り返された手術による鼻尖軟骨の損傷と変形」、「炎症」
などが挙げられ、手術が非常に難しく、難易度の高いものとなります。

01 上向きの鼻先(アップノーズ)
02 ねじれた鼻先(Twisted tip)
03 つままれたような鼻先(Pinching tip)
04 三角形の鼻孔(Nostril Notching, Alar retraction)
05 左右非対称の鼻孔(Asymmetric nostril)、曲がった鼻柱
06 外鼻弁の損傷(External valve insufficiency)
ここからは、鼻整形の中でも難しく難易度の高い分野である
「鼻先の変形」について詳しく見ていきます。
この症例研究は全6回のシリーズとして続きますので、ぜひご覧ください。

つままれたような鼻先(Pinched Tip)
<原因>
「拘縮」または「手術的な操作」。
つまり、以前の手術で鼻先を寄せるために鼻尖軟骨を縫い合わせる過程で生じます。
「Pinching」と「Notching」: 原因が同じであるため、同時に現れることが多いです。
<解決>
鼻尖軟骨再配置(Lateral crural reposition)や外側脚ストラット移植(LCSG)で矯正できます。
<使用する材料>
鼻中隔軟骨 / 肋軟骨 / 耳介軟骨

Pinched Tip & Nostril Notching
Tip Pinching(つままれたような鼻先)
左側の写真のように、鼻尖軟骨が寄ることで、クリップでつまんだように溝ができることをいいます。
原因は拘縮、または鼻先を細くするために鼻尖軟骨を寄せる操作によって、
中央に寄ってしまうことで生じる変形です。
Nostril Notching
Nostril Notchingとは、鼻孔の縁が三角形の頂点のようにとがって引き上げられた状態をいいます。
その原因もやはり、拘縮と不適切な鼻尖軟骨の縫合による変形です。
この患者様は7~8年前に他院でオープン法により、耳介軟骨を用いた
鼻尖形成を受け、鼻背にはシリコンを入れており、現在は拘縮によって
つままれたような鼻先(Pinched Tip)、Nostril Notching、アップノーズなどが現れています。
この患者様は5年前に他院で耳介軟骨による鼻尖形成と、シリコンによる鼻筋の隆鼻術を受けましたが、
鼻柱が傾き(Shifted Columella)、Nostril Notchingと拘縮による鼻先の上向きが現れました。
Pinchingは比較的軽度です。
ここまで、つままれたような鼻先(Tip Pinching)、鼻翼縁の挙上(Nostril Notching)、アップノーズなどが何であるかを見てきましたが、
ここからは症例ごとに手術前後の様子を見ていきます。

PH
この患者様は8年前に他院でシリコンと耳介軟骨による鼻整形を受けた。
cc
1か月前から断続的に鼻先が締めつけられ、ずきずきする痛みがあるため
シリコンプロテーゼの抜去を希望したが、抜去後に鼻先が変形するのではないかと強く心配していた。
P/E
シリコンプロテーゼは正しい位置にあり、鼻先は大きく丸い方で、
「L」字型シリコンが入っており、鼻先には耳介軟骨が載せられていた。

(手術内容)
シリコン、被膜、鼻先の耳介軟骨などを除去し、鼻尖軟骨再配置を行いました。
(経過と結果)
手術後1か月の写真では、右側につままれたような鼻先(Pinched Tip)とNotchingが現れましたが、
リハビリ治療と補助器具(Nasal Retainer)の装着により、
5か月が経過した写真では完全になくなり、自然な鼻先の形になりました。

下から見ても、手術後1か月の時点で見られたPinchingとNotchingが
手術後5か月には見られないことが確認できます。
Summary
抜去手術を行うと、組織の収縮期に内部に瘢痕組織ができて周囲の組織を締めつけるため、
損傷して弱くなっている鼻尖軟骨が縮むことがあり、その後、鼻先が硬くなり、
つままれたような形(Pinching)やNotching、軽いアップノーズなどが現れることがあります。
この場合は、リハビリ治療を行い補助器具を装着すると、収縮期(3~6か月)が過ぎるにつれて
こうした変形はほとんどなくなり、自然な状態に戻ります。

PH
5年前に他院でオープン法により、シリコンと鼻中隔軟骨、耳介軟骨を用いた鼻整形を受けた。
cc
特別な症状はなかったが、鼻先が固定されており、
シリコンの副作用に対する不安から抜去手術を希望した。
P/E
鼻先が硬く固定されている。鼻先に軽いNotching。
シリコンプロテーゼの位置は正常だったが、輪郭が浮き出て見えた。
(手術内容)

(経過と結果)
手術後2週目の写真を見ると、鼻先が強くつままれたように見えます。
しかし4か月が過ぎると、つままれたような形は完全になくなりました。
このように、手術後の収縮期には軟部組織の収縮によって
弱くなった鼻尖軟骨が縮み、PinchingとNotchingが現れましたが、
4か月の写真では収縮がほぼ解け、正常に戻ったことがわかります。

下から見ても、抜去手術後2週の時点で見られたPinchingとNotchingが
手術後4か月には抜去前とほぼ同じ状態になりました。
Summary
この患者様は抜去前に軽いPinchingとNotchingがありましたが、
ひどくなかったため、抜去と単純な再配置のみを行いました。
抜去直後にはPinchingとNotchingが片側に現れましたが、
やはりリハビリ治療を行い補助器具を装着して4か月が過ぎると正常になりました。

PH
1回目、5年前に米国でゴアテックス+耳介軟骨(オープン法)
2回目、2年前に韓国内の他院でシリコン+耳介軟骨(クローズ法) -> 3か月後に炎症が発生。
3回目、1年前に米国で鼻のシリコンを抜去
cc
寒いと鼻先が赤くなり、冷たくなる。鼻尖軟骨が片側に偏っている。
鼻中隔弯曲症、つままれたような鼻先(Pinching)、Notching、拘縮による鼻孔の引き上がり。
P/E

患者様ご本人は知りませんでしたが、鼻中隔軟骨を用いた鼻中隔延長移植が行われた状態で、
これが片側(右側)に偏り、鼻尖軟骨がゆるく固定されて
鼻孔が狭くなっていたため、除去しました。
鼻中隔延長移植物を用いて、鼻先の外側脚ストラット移植(LCSG)を行いました。

(結果)
患者様の左側(写真では右側)に強く見られたNotchingとPinchingがなくなり、
引き上がっていた鼻孔が両側とも下がりました。
手術前は枯れ枝のようにねじれて硬くなっていた鼻先の形が、
やわらかく丸みのある曲線に自然に矯正されました。

手術前に鼻柱が傾き、つままれたようになっていた様子(Pinching, Notching)が、
手術後に矯正され、鼻柱はまっすぐに立ち、鼻先が広がって鼻翼がやわらかな曲線になりました。

PH
15年前から他院でシリコンプロテーゼを用いた手術を3回受けた。
cc
鼻先が上を向き、鼻孔が見える。鼻背が厚い。鼻先が左右非対称だった。
鼻先が上を向き、つままれたようになっている。鼻孔の上部にもNotchingが見られる。
P/E

i) Pinching(つままれ変形)が矯正され、
ii) 傾いていた鼻先がまっすぐに立ち、
iii) 鼻翼が上に引き上げられた(Alar retraction)状態が矯正されました。

傾いていた鼻柱と鼻先がまっすぐになり、鼻孔のNotchingがなくなり、
ピノキオ鼻のように高かった鼻先が自然になりました。

右に曲がっていた鼻先がまっすぐになりました。

鼻翼がつままれて上に上がり、鼻孔が引き上がっていた様子が、
丸みのある鼻翼に変わり、鼻孔が隠れるようになりました。

上を向いていた鼻先もかなり下がり、自然になりました。