シリコン隆鼻術を受けた鼻をぶつけて大きく曲がった症例(斜鼻/曲がった鼻の矯正)

シリコンで隆鼻術を受けてから10年が経ち、
鼻を頭とぶつけた後、大きく曲がって来院された方です。
このような場合は、単にシリコンだけが移動して曲がったのか、それとも鼻の骨格が骨折して
曲がったのかを区別して手術計画を立てなければなりません。
また、外傷後の骨折による斜鼻は、その程度によって緊急手術を行うべきか、
それとも腫れが引いてから行ってもよいかを、よく判断しなければなりません。

PH
13年前にシリコンと耳介軟骨を用いて隆鼻術を受けたとのことです。
P/E
鼻が全体的に曲がっており、
特に鼻先が右に倒れるほど曲がって、鼻孔の非対称、鼻柱の曲がり、鼻づまりなどが現れています。
Plan
クローズ法でシリコンプロテーゼを抜去しながら、徒手整復術を行う計画としました。
シリコンプロテーゼはもちろん、鼻の骨格が大きく右に曲がっており、
鼻孔の非対称、鼻柱の曲がり、鼻づまりなどの症状がみられました。
これほど鼻が大きく曲がっている場合、鼻骨の骨折だけでなく鼻中隔軟骨の骨折と曲がりのほうがより深刻な問題であり、
鼻中隔軟骨の骨折と強い曲がりは、すぐに徒手整復術で矯正せずに1週間が過ぎると、矯正が容易ではありません。

CTに写った鼻骨骨折、シリコンプロテーゼ、そして前鼻棘(鼻柱の下の部分)に埋め込まれている金属プレート。
患者様は前鼻棘に金属プレートがあることをご存じありませんでしたが、
13年前の手術の際に、鼻先を高くするためコルメラストラットとして金属プレートを使用したものと推測され、
この金属プレートが衝撃で曲がったことで、鼻先がより大きく曲がったことが確認できます。

オープン法で切開する前に、徒手整復術で骨折した骨と鼻中隔軟骨をまっすぐに矯正しました。
その後切開して、シリコン、被膜、鼻中隔延長移植などを除去し、複合再配置を行いました。
A, B: シリコンプロテーゼを抜去した後、鼻中隔延長移植を除去する過程。
C: 鼻中隔軟骨と延長移植のあいだにあった金属プレートが現れました。
金属プレートは延長移植を支える役割をしていました。
金属プレートを除去した後、鼻中隔延長移植を小さく整えてコルメラストラットとして使用しました。

除去したシリコン、被膜、瘢痕組織、鼻先の移植軟骨、金属プレートなどで、
金属プレートは「L」字型で、上顎骨に短い部分が、鼻柱方向(anterior)に長い部分が位置しており、
2本のスクリューで固定されていました。

右側の写真は手術後7日目の様子です。
鼻背の軸が正中にしっかり合っており、
右に回っていた鼻先が中央に戻り、鼻孔は完全に対称な状態です。
オープン法で抜去と徒手整復術を行いましたが、7日でわずかな内出血が残るだけとなり、腫れはほとんど引きました。

鼻柱の軸が完全に中央に戻り、鼻孔の対称も完全に戻りました。
手術の跡も、1週間の時点で良好な状態です。

上から見た鼻の変化です。
大きく曲がっていた鼻の形が元どおりに回復したことが確認できます。

左右の斜めから見た鼻背のラインは、手術前には著しく異なっていましたが、
復元術後は同じ姿に回復しました。
鼻背のラインも自然で、鼻先がよりすっと高く、長くなりました。

手術前は鼻先が上を向いて丸かったのですが、抜去後はむしろ鼻先がすっと高く、長くなった様子です。
左右の対称がはっきりとよくなったことが確認できます。
