突出し感染を伴ったプロテーゼ抜去の症例 III

突出し感染を伴ったプロテーゼ抜去の症例 III
(Removal of infected tissue and protruded silicon implant)
鼻に挿入したプロテーゼが突出する場合、 さまざまな問題を伴うことがあります。
いったんプロテーゼが突出しはじめると、シリコンの周囲に感染と肉芽腫があり、
シリコンを包む被膜は厚くなり、 正常だった
軟部組織が溶けて皮膚が薄くなります。
シリコンが薄くなった皮膚を突き破って、 外に現れる場合もあれば、
鼻の中で粘膜を突き破って出てくる場合も あります。
プロテーゼが皮膚や粘膜を突き破って出てきたのであれば、 鼻の中には必ず感染があると判断できます。
プロテーゼが皮膚を突き破って突出するほど進行している場合は、 かなりの期間が経過していることが多いため、
できるだけ早くプロテーゼ、肉芽腫、感染、被膜、瘢痕組織などの問題を取り除くことで、
拘縮を予防し、解決することができます。

この患者様は、5年前と4年前に他院で
二度にわたる鼻整形を受けていました。
しかし、 4か月前から鼻の中から膿と分泌物が出はじめ、
鼻先から鼻筋まで大きく腫れて、当院を受診されました。
眉間と鼻背がひどく腫れており、 紅斑も伴っていることが確認されました。
鼻の長さは大きく変わっておらず、 拘縮はまだ始まっていない様子です。
鼻背と眉間を診察すると、 波動が認められたことから、
鼻の内部に、 感染による分泌物がたまっているものと考えられました。

内視鏡で鼻の中を確認すると、 白いシリコンが粘膜を突き破り、
1.0 X 0.5cmの大きさで露出していました。
シリコンと被膜、そして感染組織を除去して
感染を治療する方針で手術計画を立てました。

皮下層にあった感染組織、被膜、シリコンなどをすべて除去しました。
感染が鼻背、鼻先、鼻柱まで広く及んでいたため、感染組織を徹底的に取り除きました。
感染組織を完全に除去したあと、 皮膚がかなり薄くなり、
皮膚の凹凸が強く残りましたが、 回復期間のあいだに組織が徐々に盛り上がって
かなり改善し、凹凸はしだいになくなっていくと見込まれます。

収縮が起こりやすい時期にも鼻先は上を向かず、
鼻の形は本来の自然な姿に 戻りました。
患者様はのちにフィラー施術を希望され、6か月後に鼻が安定してから注入することにしました。
