斜鼻とワシ鼻が併存する鼻の矯正症例

ワシ鼻とは、鼻背の中間部(骨と軟骨が接するところ)を中心に
骨格が過度に成長し、鼻背がふくらんで突き出た鼻のことです。
つまり、成長板のある鼻背の中間部で、思春期に骨が過度に成長することでハンプが生じたものです。
成長期に骨格が過度に成長する過程で、左右の成長速度が異なることが多く、
どちらか一方の鼻骨がより速く成長すると斜鼻になるため、ハンプと斜鼻は一緒に現れることが多いです。
診療をしていると、ワシ鼻の矯正を受けた患者様のなかに、鼻が大きくなりすぎ、鼻先がとがって
不自然になり、皮膚がだんだん薄くなってプロテーゼが透けるようになったために来院される方がかなり多くいらっしゃいます。
これは、ハンプの部分を器具で削った後に鼻背へシリコンプロテーゼを入れ、高くなった鼻背に合わせて
鼻先も高くすることで、鼻が大きくなったものです。
ワシ鼻矯正で重要なPoint
01 鼻背にシリコンプロテーゼを入れてはいけません。
02 斜鼻を伴う鼻かどうかを注意深く確認する必要があります。
03 必ず自家軟骨を用いて手術する必要があります。
ワシ鼻の正しい矯正方法では、シリコンプロテーゼは決して使わず、自家組織だけで手術する必要があります。
ワシ鼻の正しい矯正方法では、ハンプが最も目立つ鼻背の中央部を最小限に削りながら、
眉間と鼻先を少し高くすると、鼻背のラインがまっすぐにつながり、ハンプを矯正できます。
ハンプを削る際に2mm以上削ると、鼻背の骨格の屋根が開く(open roof)ため、
その場合は鼻中隔軟骨を用いてスプレッダーグラフトを行うのが最も良い方法です。
ワシ鼻矯正でシリコンプロテーゼがよく使われる理由は、ハンプを多く削るとOpen roofが懸念され、
それを矯正できるスプレッダーグラフトの経験が不足しているためにハンプの部分を一直線になるまで十分に削れず、
残ったハンプを覆い隠すためにシリコンを入れることになるのです。
今回は、ハンプと鼻背の曲がりが併存していた患者様の症例を見ていきます。

CC
鼻背にハンプと曲がりがあり、鼻づまりがあり、
垂れ鼻のため鼻先と鼻柱の下垂がありました。
P/E
鼻背の曲がりは、鼻背の軟骨部分が始まる位置から始まり、先端に向かって
次第に右側へ曲がり、鼻中隔もreverse “C”の形に曲がっていました。
OP
ハンプ切除、鼻中隔軟骨の切除および移動(Swing door)、
鼻中隔軟骨でスプレッダーグラフト(Spreader graft)、
耳介軟骨でコルメラストラット(鼻先の下垂を矯正しながら高さを出す)

鼻中隔弯曲症があり、先端部の鼻中隔が左側に曲がっているのがわかります。

A
切除した鼻中隔軟骨
B
鼻中隔を移動させるSwing door手術の後、鼻中隔が中央に位置している様子です。
患者様の右側には鼻中隔軟骨を当てて補強しました。

ハンプを切除した後、開いた天井に鼻中隔軟骨でスプレッダーグラフトを行い、鼻背をなめらかにした状態です。

手術前は長く垂れた鼻柱のために「龍の鼻」のように見えていた鼻の穴が、
手術後は鼻柱が上がったことで自然になりました。

手術前は鼻柱が傾き、鼻の穴が非対称でしたが、
手術後は鼻の穴がほっそりとして対称になりました。

鼻背のラインがまっすぐではっきりと整いました。

ハンプのあった鼻背のラインがなめらかになり、長く垂れていた鼻先がすっと上がったことで、
垂れ鼻も矯正されました。
