シリコン拘縮によるつままれたような鼻先の修正(拘縮鼻修正/鼻プロテーゼ抜去)

シリコンプロテーゼは鼻の中で被膜形成と慢性炎症を引き起こし、
その程度と期間によって、拘縮(縮んでいく変形)を招くリスクが高くなります。
拘縮による鼻の変形には、
i) 鼻先が上を向く

鼻整形では、鼻先を高くしながら寄せることがよくあります。
そのため、丸くずんぐりしていた鼻尖軟骨が中央に寄せられると、鼻尖軟骨が高く尖り、
両側に溝ができたような形が現れますが、これをPinchingといいます。
まるで洗濯ばさみで鼻先をつまんだような形という意味です。
このように鼻尖軟骨が中央に寄せられると、鼻孔の縁(鼻翼縁、alar rim)が上に引き上げられ、
鼻孔が三角形に見えることをNotching、またはAlar rim retractionといいます。
ただし、このようなPinchingとNotchingは手術直後に生じることもありますが、
時間の経過とともに、ご自身でも気づかないうちに徐々に現れることのほうが多くあります。
このようにPinchingと Notchingが徐々に進行するのは、シリコン拘縮がその原因です。
このようにシリコン拘縮では、鼻先が上を向くだけでなく、
鼻先が縮むことでPinchingとNotchingを伴うことが多くあります。
下の写真の症例も、15年前に「L」字型シリコンで隆鼻術を受けた後、鼻背にたびたび内出血や血腫ができ、
いつの頃からか鼻先が上を向き、つままれたような変形が現れたとのことです。
これを解決するもっとも強力な方法は、鼻先の外側脚ストラット移植(Lateral Crural Strut Graft, LCSG)です。
この外側脚ストラット移植には、自家軟骨(鼻中隔、耳介、肋軟骨)を用います。

PinchingとNotchingの変形は、図のように鼻尖軟骨が中央に寄り、持ち上がることで現れます。
したがって、逆に、寄ってしまった鼻先を自然にするには、
右の図のように鼻尖軟骨を両側に広げるのが一般的です。

A : シリコン、被膜、瘢痕組織などをすべて除去した状態です。鼻尖軟骨が拘縮によって持ち上がり、中央に寄っています。
B : 除去したシリコンと被膜です。
C : 耳介軟骨を用いて外側脚ストラット移植を行った状態です。

OP
シリコンと被膜を除去して拘縮を解消した後、つままれて寄っていた鼻尖軟骨を解放し、
耳介軟骨で外側脚ストラット移植を行いました。鼻背は同種真皮で高さを補いました。
結果
鼻先のつままれたような形が手術後に解消されてなだらかになり(Pinchingが修正されました)、
「^」の形に上がっていた鼻翼縁(鼻孔の縁)がなだらかに下りました。(Notchingが修正されました)

尖っていた鼻先が丸みのあるなだらかな曲線に変わり、
鼻翼縁に縦にへこんだような線がありましたが、伸びてなめらかになりました。

拘縮により、(1) 尖った鼻先、(2) 深くへこんだ線、
(3) 急に折れ曲がったような鼻翼縁(鼻翼の境界線)などがありました。
シリコンと被膜を除去した後、耳介軟骨を用いて
外側脚ストラット移植を行ったところ、(1)、(2)、(3)の三つの問題がすべて解決されました。

拘縮によって鼻先が上を向き、つままれたようになっていた形が、デローテーション移植(Derotation graft)と
外側脚ストラット移植(LCSG)によって、長く自然な姿になりました。

上を向いていた鼻先が下がり、長さが十分に伸びました。

30代女性。他院で3回の手術を受けた後、拘縮によるさまざまな変形が現れました。
OP
18年前 シリコン(クローズ法) -> 拘縮
9年前 シリコン入れ替え。耳介軟骨で鼻尖形成(オープン法) -> 鼻孔の左右差。鼻柱が曲がりました。
6か月後 シリコン入れ替え。耳介軟骨を再び採取(オープン法)。
CC
シリコンが厚く、目立ちます。鼻先の皮膚の感覚に違和感があります。
P/E
典型的な拘縮の状態です。シリコンの輪郭が浮き出ており、鼻先が尖ってPinchingがあります。
OP
L字型シリコンを抜去し、被膜、炎症組織、コルメラストラットを除去して、
つままれていた左側の外側脚を伸ばして再配置し(lateral crural reposition)、鼻柱軟骨を縫合しました。

鼻の中に鼻柱の突出が見られ、患者様の左側の鼻尖軟骨がつままれているために鼻先が左側に傾いていました。
手術後、折れ曲がっていた鼻先の外側脚が完全に伸び、鼻先の形が自然になりました。

手術前は鼻背のシリコンの境界がはっきりと浮き出ており、
鼻先にPinchingとNotchingがあり、左側に曲がっていました。
手術後は鼻背が自然になり、鼻先の変形がなくなって、鼻先が中央にしっかり位置しています。
このように、拘縮に伴う鼻尖軟骨の変形によって
PinchingやNotchingが現れると、鼻先の軸が曲がったり、ねじれたりすることが多くあります。
外側脚ストラット移植または外側脚の再配置(Lateral crural reposition)は、もっとも強力な解決方法です。

尖っていた鼻先が、やわらかく自然になりました。

手術後1週間ですが、腫れがほとんどなく自然です。
手術前は鼻柱の後退が見られましたが、手術後は鼻柱がやわらかな曲線を描いて前に出ました。