繰り返した目尻切開による眼瞼内反の解決

目尻切開の後、目が大きくなった程度に満足できなかったり、切開した部分が再びくっついてしまったり、
あるいは切開が大きすぎたりして、目尻切開の手術を何度も繰り返すことがあります。
このように目尻を切開して目の長さと幅を広げる目尻切開を繰り返すと、
瞼板の組織が損傷し、目尻が開いて下がり、
瞼板が眼球側に巻き込まれる眼瞼内反が生じます。
これを解決するのは非常に難しく、高度な技術と集中力が求められます。

PH
2019年 目尻切開・下眼瞼下制の後、目尻が再びくっつきました。
2021年6月 目尻切開・下眼瞼下制の後、まつ毛が目に刺さり、痛みがありました。 => 目尻切開の修正手術
2022年6月 目尻切開・下眼瞼下制の修正手術の後、元に戻す手術をしたと説明されましたが、症状は変わりませんでした。まつ毛が内側に巻き込まれていました。
2023年2月 目尻切開・下眼瞼下制の復元手術
左側は改善しましたが、右側には眼瞼内反と、瞼板が下方に開く兎眼が生じました。
CC
右目が乾いてごろごろし、頻繁に充血します。目尻が開いています。
P/E
右目の変形が強い状態でした。瞼板が下に沈み、眼球側に向かって巻き込まれていました。
外眼角で瞼板が丸く開いていました。
瞼板内側の粘膜に強い瘢痕と萎縮があり、瞼板の高さと粘膜が減っていました。

下眼瞼の皮膚を下に引くと、巻き込まれていた瞼板が露出し、
瞼板の境界面に強い瘢痕があるのが見られました。

OP
患者様の右目のみ手術することにしました。(Secondary Lateral Canthoplasty)
目尻で上眼瞼と下眼瞼の間を切開して分離しました。
右の下眼瞼の瞼板の内側(眼球側)で、瞼板の境界線に沿って粘膜を切開して広げた後、
口蓋の硬く厚い粘膜(10x30mm)を採取し、下眼瞼の瞼板に移植しました。
外眼角形成術を行い、目尻を引き上げました。
結果
下に沈みながら内側に巻き込まれていた瞼板が上に上がって
表に現れ、目尻が尖った形になりました。
目尻の開きと3~4mmほどの三白眼が矯正され、結果として
両目が対称になりました。

眼瞼内反が完全に矯正され、大きく開いていた目尻がきれいに尖った形にまとまりました。
下方に沈んでいた下眼瞼の瞼板が上に上がり、まつ毛が見えるようになりました。
手術後、瞼板の位置が黒目の縁にかかるようになりました。

手術前は、下眼瞼の瞼板内側の粘膜が瘢痕拘縮によって内側に巻き込まれており、
手で引いてもまつ毛が外に出てきませんでしたが、粘膜移植後は
瞼板内側の粘膜が伸び、指で引くと外側に反転できるようになりました。
外側の皮膚に残っていた瘢痕組織も著しく改善したことが確認できます。

外側の皮膚の傷跡が著しく改善し、瞼板のまつ毛の境界面の粘膜の状態もきれいになりました。

丸で囲んだ部分の粘膜が、新しく再生した部分です。
周囲のやや黄みがかった粘膜とは異なり、ピンク色に再生しています。
2か月が経過した頃からは、きれいに治癒したことが確認できます。