粉砕軟骨による鼻整形の危険性 #粉砕軟骨鼻整形の副作用 #粉砕軟骨鼻整形の修正手術症例

近年、軟骨を細かく刻んで小さな粒子にし、これを用いる
鼻整形の手術と宣伝が盛んに行われているようです。
まるで粉砕軟骨による鼻整形が新しい整形の世界を開くかのようです。
しかし、世の中の物事は、明るいところがあれば必ず暗い影があるように、粉砕軟骨による鼻整形も同じで、
無条件に追随したり信じたりすることは望ましくなく、必ずその得失を見きわめる必要があります。
今回は、粉砕軟骨による鼻整形の長所と短所、そして危険性について、症例を通して見ていきます。
粉砕軟骨による鼻整形はどのように行うのですか?
最近、粉砕した耳介軟骨や粉砕肋軟骨で手術を受けた後に来院される方が増えています。
シリコンプロテーゼの問題点を知ったうえで、それを補うために
自家軟骨を使おうとする意図は良いと思います。
そこで今回は粉砕軟骨による鼻整形について見ていきますが、
まずその手術法についてご説明します。
粉砕軟骨を用いた鼻整形には、
1) 軟骨を採取してごく小さな粒子に細かく刻んだ後、
これを希望の形にまとめて固めてから鼻に入れる方法、
2) 細かく刻んだ軟骨の粒子を筋膜や吸収性メッシュなどで包んで鼻背に入れる方法、
3) 粒子を注射器に入れ、吹きつけるように鼻背と鼻先にのせる方法などがあります。
粉砕軟骨による鼻整形の長所と短所
粉砕軟骨による鼻整形は、一見すると自家軟骨を用いるため
副作用が少なく安全だと思われがちですが、
実際にはさまざまな短所もある手術法です。
長所
手術が簡便で、手術時間が短いことです。
短所
鼻の長さや角度などを調整できず、
拘縮や鼻先の変形、斜鼻、アップノーズなどの複合的な鼻の変形を矯正することは
できず、単に鼻筋と鼻先の高さを出すために使えるだけです。
副作用が生じる可能性が高いです。
この手術法にはどのような副作用がありますか?
副作用とその原因をあわせてご説明するのがよいと思います。
01. 最も多い副作用は感染です。
02. 粒子が広がって希望の形が維持されません。
副作用が生じたときの解決策は?
解決策は、軟骨の粒子をすべて除去し、
鼻の状態に応じて適切な方法をよく選んで矯正することですが、
微細な粒子があちこちに広がっているため、除去は丁寧に行う必要があり、
感染が生じた場合には鼻の骨格と皮膚が大きく損傷しているため、修復は容易ではありません。
皮膚と軟部組織が薄くなって損傷し、皮膚の凹凸や癒着が生じることがあるため、あらかじめ備えておく必要があります。
正常な形になるには、皮膚の厚みが十分に回復している必要があり、
鼻筋と鼻先の骨格の状態を正確に把握して
綿密に計画を立てなければならないため、豊富な経験が必要です。
今回は、粉砕軟骨で手術を受けた後、副作用のために当院に来院された方々をどのように手術したのか、
その結果はどうだったのかを見ていきます。

PH
20年前、ゴアテックスで鼻筋と鼻先を高くする -> 鼻先でゴアテックスプロテーゼが透ける
10年前、鼻先でプロテーゼが透けたため耳介軟骨で修正。(onlay graft)
8か月前、 自家の粉砕肋軟骨で鼻筋と鼻先を高くする。(オープン法) -> 粉砕肋軟骨が眉間まで上に
入り込みすぎて鼻が長く、一直線の鼻の形に。鼻柱の中にこぶのような突出。
1か月前、肋軟骨を再び採取して粉砕肋軟骨で修正手術。(オープン法)
CC
一か月 前、二回目の粉砕肋軟骨手術の9日後から鼻背が赤くなる。腫れて重い感じ。
鼻の中から黄色い液体が出る。手術を受けた病院で洗浄4回。
抗生物質の注射治療中に当院に来院されました。
P/E
鼻背が赤く腫れていました。
鼻柱には感染による小さな穴と膿のたまったしこりがあり、
鼻柱が全体的に腫れてふくらんでいました。
DX
感染
OP
鼻背と鼻先、鼻柱に入っている粉砕肋軟骨の周囲が赤く膿がたまっており、
腫れで厚くなった感染所見を認めたため、除去手術を行いました。

切開して内部を確認すると、鼻背と鼻先にのせられた粉砕肋軟骨の周囲に膿と滲出液がたまっており、
粉砕肋軟骨は一定の形を保てずに散らばっており、美容的な効果はありませんでした。
鼻背では、粉砕肋軟骨の下の層にゴアテックスの小片が残って骨格にしっかり付着しており、
これは以前ゴアテックスで隆鼻術を行った後、除去の際に完全には取りきれずに残ったもので、
このゴアテックスの小片が感染を引き起こした要因の一つと考えられます。
鼻柱の間を剥離すると、肋軟骨が鼻中隔延長移植または延長型スプレッダーグラフトの形で位置していたため、
すべて除去しました。

ゴアテックスの小片が周囲に感染を引き起こした主な原因の一つと考えられ、
粒子状の軟骨は感染に弱く、広がりやすいです

除去前、鼻背は赤く腫れており、鼻先には黄色い膿がたまっていました。
鼻背と鼻先が横に広がり、鈍い印象でした。
凝固した血液や人工接着剤(グルー)で粉砕肋軟骨をまとめ、固定した形にして入れるとはいえ、
皮膚の圧迫によって粉砕肋軟骨は一定の形を保ちにくいため、鼻の輪郭が横に広がっているのです。
また、粉砕肋軟骨は菌に汚染された場合、接触面積が広く分散しているため、感染に弱いです。
除去後3週間の様子では、鼻背の皮膚がでこぼこしており、鼻先と鼻柱に変形が現れました。
粉砕肋軟骨はクローズ法で除去することが難しく、
砂粒のように粒子が細かく分かれているため除去が難しく、軟部組織を損傷する可能性が高いです。
感染を伴う場合は皮膚の侵食がさらに強く、損傷を招きます。
これにより 皮膚に凹凸が現れ、収縮が起こる時期には皮膚だけでなく鼻尖軟骨の変形も強く現れることがあります。

除去前
感染が強く膿がたまっており、鼻先が全体的に赤く腫れていました。
除去後
軟骨と皮膚の損傷と変形により、凹凸が強く現れました。

除去前
眉間が高く不自然で、鼻背に凹凸があり、鼻背の輪郭が横に広がっている
除去後
収縮によって鼻柱が陥没し、鼻先に切れ込みがある
皮膚の損傷により凹凸がはっきり残っている

除去後、鼻柱の陥没、鼻背の皮膚の凹凸、色素沈着、鼻先の変形などが残りました。
今後6~12か月後に皮膚の再生が成熟したら二次手術が必要となるため、
自己血幹細胞の注射を受けながらお待ちいただいています。

PH
1回目。10年前に他院で、シリコン + 鼻先に耳介軟骨(オープン法)
-> 皮膚が薄くなり、鼻先がとがって赤くなる。
2回目。6年前に他院で、自家の粉砕肋軟骨 + 鼻先に鼻中隔軟骨を使用。
CC
鼻背がでこぼこ。鼻筋が細く硬い、鼻の穴が左右で異なる、鼻の穴がとがってつままれたような形、
鼻先が赤い。つっぱり感。血が集まっているような感じ
P/E
鼻背と鼻先は粉砕肋軟骨のために硬く、透けて見える。鼻先がとがって赤い。
鼻筋が曲がっていました。
OP
粉砕肋軟骨の除去、SEG先端のトリミング、鼻翼軟骨の再配置

手術前
鼻筋が曲がっており、一直線の粉砕肋軟骨の輪郭が透けて浮き出ており、
鼻の穴がとがって上がっていました。
手術後
鼻背が自然になり、透けて見えるものもなくなり、
とがってつままれたような鼻先が下がり、やわらかくなりました。

とがっていた鼻先と鼻の穴が、手術後はふっくらとやわらかくなりました。

傾いてとがっていた鼻先が、手術後は中心が整い、やわらかくなりました。

鼻先の上の部分に段差があって折れて見えていましたが、手術後はまっすぐになりました。
上を向いていた鼻先も自然に下がり、とがっていた鼻筋と鼻先が自然になりました。

鼻先の上の部分の凹凸がなくなり、まっすぐで自然になりました。

PH
2020.5 鼻炎の手術3種、シリコンで隆鼻術、同種肋軟骨で鼻先。
メッシュでspreader graft、骨切り。小鼻縮小(外側切開)、オープン法 -> 炎症。腫れ
1か月後にシリコンのみ除去 -> 鼻筋が低くなる
2020.12 粉砕肋軟骨の注入(クローズ法)で鼻筋の隆鼻術 -> すべて吸収
2021.10 同種肋軟骨で隆鼻術(オープン法)
CC
鼻先が曲がり、炎症反応でよく腫れて赤くなる、鼻背が横に広がっている。
OP
2024.4.11 鼻中隔のSEG、spreaderのメッシュを除去 + 炎症組織の除去 + 粉砕肋軟骨の部分除去
+ 同種肋軟骨の除去(鼻中隔軟骨が溶けていました)

除去手術後、赤くなってよく腫れていた炎症反応がなくなりました。

除去だけでも、鼻が長くすっきりとしました。

鼻背のラインがまっすぐに伸び、自然になりました。

PH
2019年8月に他院で、同種の粉砕肋軟骨で鼻筋の隆鼻術 + SMR + 鼻甲介切除
+ 鼻中隔軟骨でコルメラストラット(オープン法) -> 鼻筋が吸収
2020年3月に他院で、同種の粉砕肋軟骨を鼻筋に追加移植。
CC
眉間と鼻の中間部が吸収されてへこみ、手術前と比べてほとんど差がないため、除去を希望されました。
OP
鼻背の同種粉砕肋軟骨、鼻中隔延長移植、鼻先の同種粉砕肋軟骨をすべて除去 & 鼻尖軟骨再配置。
** 鼻中隔がないため、延長移植の一部を残しました。コルメラストラットの軟骨が弱くなっていたため、
鼻先にあった鼻中隔軟骨移植を除去し、鼻中隔に当てて補強しました。左の外鼻弁に軟骨移植、シラスティックシート(+)

除去後、高かった眉間が正常に戻り、鼻の形がより自然になりました。

曲がっていた鼻柱と鼻の穴が、手術後はまっすぐになりました。

眉間の粉砕肋軟骨を除去した後、鼻背のラインが自然になりました。

手術後は鼻の長さ、鼻背のラインが自然に見えます。