鼻の手術後に鼻先と鼻柱が曲がり、鼻づまりを伴う症例は意外に多くみられます。
原因として挙げられるのは4つのケースです。
01. 鼻プロテーゼが曲がって入った場合
02. コルメラストラットを固定する際の縫合が適切でなく、鼻柱が曲がった場合
03.鼻中隔延長移植を片側だけに当てた場合
04.鼻先にのせた軟骨移植が片側に偏って入った場合
鼻の手術後に鼻先と鼻柱が曲がったときは、このように正確な原因を把握し、
一人ひとりに合った手術計画を立てることがもっとも重要です。

症例1: 鼻の手術後の鼻先と鼻柱の曲がり
既往歴- 10年前、他院でオープン法によりシリコンを用いた隆鼻術を受け、
鼻中隔軟骨で鼻尖形成を受けた
主訴- 鼻の中の左側の柱が突き出ている。/ 左の鼻がよく詰まる。/ 痛みや圧迫感、腫れなどはなかった。
身体所見- 鼻背の皮膚が硬くこわばり、薄い。シリコンプロテーゼが斜めに傾いている。
鼻柱が傾き、鼻孔が非対称。鼻先が固定されて動かず、硬い。
WANT- プロテーゼをすべて抜去し、鼻先がやわらかく動くようになってほしい。
鼻柱と鼻孔がまっすぐで対称になってほしい。

この患者様は、左の鼻の中の鼻中隔側に突出した軟骨が見え、触れることもでき、
これにより鼻腔の通り道が狭くなり、鼻柱が傾いていました。

左の写真のとおり、シリコンが(患者様の)左側に偏って
左側の鼻尖軟骨を押しているため、折れ曲がった状態であることが分かります。
シリコンを抜去すると厚い被膜が白く見えますが、この被膜によって
患者様はこわばって固定された感じを受けるのです。
鼻背の中央部からゴアテックスの小片が出てきましたが、これは鼻背の中央部がへこんでいたため、
これを補うためにシリコンと重ねて入れたものと確認されます。

シリコンと被膜を除去した後、鼻中隔延長移植まで除去すると、
弱くなっていた鼻中隔が斜めに傾いていたことが分かりました。
シリコン、被膜、ゴアテックスを除去し、折れ曲がった鼻中隔を延長移植の軟骨を用いてまっすぐに整えました。