拘縮鼻修正に用いる鼻中隔延長移植・デローテーション移植(さまざまな鼻先変形の修正 #1)

さまざまな鼻先変形の修正
01 拘縮鼻(アップノーズ) ▶ 延長移植(SEG)、デローテーション移植(Derotation Graft)
02 つままれたような鼻先(Pinching tip) ▶ 外側脚ストラット移植(LCSG)

拘縮鼻修正に用いる鼻中隔延長移植・デローテーション移植
拘縮鼻とは、シリコンプロテーゼによって鼻の軟部組織(皮膚、筋肉、脂肪層)が縮み、
軟部組織に包まれている鼻の骨格がすぼまって重なり(overlap)、鼻の長さが短くなることをいいます。
このように鼻がすぼまって長さが短くなるのは、もっともやわらかい
鼻尖軟骨が鼻背の方向に引っ張られることで現れる変化です。
したがって、鼻の長さを伸ばして元の状態に戻すためには、鼻背の方向に引き上げられた
鼻尖軟骨を分離して下に下ろし、これが再び上に上がらないように押さえる
軟骨移植が必要であり、その手術方法が(A) 鼻中隔延長移植、そして(B) デローテーション移植です。

A. 鼻中隔延長移植を用いた鼻尖形成
(i) 鼻中隔軟骨を用いた延長移植
鼻中隔延長移植は、鼻先の高さと長さが十分でないときに、
鼻中隔軟骨を採取して鼻中隔の先端部分に さまざまな方向で
連結・固定した後、そこに鼻尖軟骨を掛けることで
長さと高さを出す手術技法で、鼻尖形成に良い効果を得ることができます。
しかし、延長移植した軟骨が、支えている鼻先の重さに耐えられず、
徐々に低くなったり曲がったりすることも時々あります。

(A) 鼻中隔延長移植を用いた鼻尖形成
(ii) 肋軟骨を用いた鼻中隔延長移植
初回手術後 副作用によって拘縮鼻が生じた場合、
延長移植に使用する軟骨には鼻中隔軟骨と肋軟骨がありますが、鼻中隔軟骨は拘縮鼻修正を行う際には
量が十分でないため、主に肋軟骨を使用することが多くあります。

(A) 鼻中隔延長移植を用いた拘縮鼻修正
鼻中隔延長移植は、以前の手術後、拘縮という副作用によって
短くなり上を向いた鼻を伸ばすために用いることもありますが、初回手術で鼻先の長さと高さを出して
すっと高くする目的でもよく用いられます。
症例 1
CC
20代前半の女性。鼻先と鼻筋が患者様の左側に曲がっており、鼻背はやや膨らんでいて、
鼻先は丸く低い状態でした。
OP
鼻中隔矯正術、鼻中隔切除術、鼻中隔延長移植

鼻先と鼻背がまっすぐに整い、鼻先がすっきりと高くなりました。

鼻先がすっきりと高く立ちました。
鼻中隔矯正術で鼻中隔がまっすぐになった後、傾いていた鼻柱もまっすぐになりました。

左側に曲がっていた鼻背のラインが中央に整いました。

鼻筋と鼻先がきれいにつながり、鼻筋を高くしなくても全体的にすっと高くなった様子です。

手術前は鼻背が膨らみ鼻先が低い状態でしたが、鼻先がすっと高くなった様子です。

症例2
PH
2年前にシリコンで鼻整形を受けた後、最近になって鼻が大きく腫れ、拘縮による変形が強くなりました。
鼻背に液体がたまっており、硬い瘢痕組織とともに鼻先がねじれて上を向いていました。
OP
すぐにシリコンプロテーゼと炎症組織を除去し、1か月後に炎症が治まったことを確認して、
肋軟骨を用いた延長移植で鼻を伸ばしながら、鼻先の変形は外側脚ストラット移植で修正しました。
結果
すぐにシリコンプロテーゼと炎症組織を除去し、1か月後に炎症が治まったことを確認して、
肋軟骨を用いた延長移植で鼻を伸ばしながら、鼻先の変形は外側脚ストラット移植で修正しました。

上に引き上げられていた鼻先が自然に下がりました。

非対称に引き上げられていた鼻先が対称に下がり、鼻孔と鼻翼が対称になりました。

右側の外鼻弁が深くへこんで呼吸がしにくい状態でしたが、
これを外側脚ストラット移植で修正した後は平らになり、鼻呼吸も正常になりました。

左側の外鼻弁もしっかり修正され、鼻の長さと鼻先の対称性が著しく改善しました。

側面の写真では、鼻の長さが十分に伸び、高さや角度などのバランスもきれいになりました。


症例3
PH
15年前に交通事故で顔を負傷し、その1年後にシリコンと耳介軟骨で鼻整形。 ▶
整形から1年後にシリコンのみ抜去。 ▶
その後、鼻が上を向いて短くなり、左側がひどく詰まるようになりました。鼻孔の非対称、鼻先の赤み。
P/E
鼻先が右側に曲がり、つままれたようになっており、鼻柱と鼻孔が非対称で、
鼻が大きく上を向いていました。内視鏡所見では、鼻中隔が大きく曲がっていました。
手術所見
急性炎症はなかったため、一回の手術で修正することにしました。
被膜が残っていたため周囲に炎症反応と瘢痕組織が強く、除去 + メドポアが4枚重ねで
鼻中隔延長移植に使用されていました。
炎症反応によって被膜が厚く、瘢痕組織が強い状態で、メドポアが4枚重ねで当てられ、
延長移植として使用されていました。鼻中隔が「C」の字に大きく曲がっていました。
OP
曲がった鼻中隔をまっすぐにして鼻の長さを伸ばすため、肋軟骨で
延長型楔状移植+鼻中隔尾側延長(caudal SEG)+外側脚ストラット移植+同種真皮による隆鼻術

メドポアが計4片で延長移植されている状態で、すべて抜去し、瘢痕組織と炎症組織を除去しました。

自家肋軟骨で延長型楔状移植 + 鼻中隔延長移植 + 外鼻弁移植、
そして同種真皮による隆鼻術などを行いました。

結果
鼻先の非対称な変形がはっきりと対称になり、上を向いていた鼻先が長くなって下がりました。

ねじれた鼻柱と鼻先、鼻孔の非対称、鼻中隔の曲がりなどが著しく改善しました。

鼻の長さが十分に延長され、内側に巻き込まれていた鼻柱も丸みを帯びて出てきており、
鼻背の真皮は4か月が経過した後もその高さがよく維持されています。

鼻の長さが十分に延長され、内側に巻き込まれていた鼻柱も丸みを帯びて出てきました。
鼻背の真皮は4か月が経過した後もその高さがよく維持されています。

B. デローテーション移植(Derotation Graft)を用いた拘縮鼻修正
B. デローテーション移植(Derotation Graft)
デローテーション移植は、鼻背と鼻先の間に位置し、
鼻尖軟骨を下向きに押すことで鼻の長さを伸ばす方法です。
主に耳介軟骨を使用します。

B. デローテーション移植を用いた拘縮鼻修正
症例1
PH
30年前 「L」字型シリコンで隆鼻術 ▶ 徐々に鼻が上を向く
OP
鼻先の変形が強くなかったため、耳介軟骨を用いてコルメラストラット + デローテーション移植 + 同種真皮による隆鼻術
結果
鼻の長さがはっきりと伸び、正面から鼻孔が明らかに見えにくくなりました。

鼻の長さがはっきりと伸び、自然になりました。

鼻の長さがはっきりと伸び、鼻背の高さもバランスよく高くなりました。

症例 2. (デローテーション移植 + 外側脚ストラット移植)
PH
20年前、シリコン + 耳介軟骨
その後9年間にSMR + 下鼻甲介切除を2回。
CC
鼻中隔の手術後、鼻先が曲がり始めました。鼻孔の左右差、鼻先の曲がり。シリコンの曲がり。
P/E
鼻先が丸く、上を向いています(拘縮)。鼻先と鼻柱が右側に傾いています。

手術所見
「L」字型シリコンが右側に完全に傾いていました。そのため、鼻先と鼻柱が傾いていました。
鼻尖軟骨が上に引き上げられていました。
鼻柱軟骨が折れて曲がっていました。

手術
シリコンと被膜を除去し、鼻尖軟骨を剥離して下りられるようにし、
折れ曲がった鼻柱軟骨をまっすぐにするために耳介軟骨で支柱を立て、
鼻背と鼻尖軟骨の間にデローテーション移植(Derotation graft)を行いました。
鼻背は同種真皮で高くしました。

正面から見て鼻先が中央に戻り、丸かった鼻背と鼻先が繊細になりました。
鼻の長さが著しく伸びました。

丸く短かった鼻先が、すっと高く長くなりました。

症例 3. (デローテーション移植 + 外側脚ストラット移植)
PH
1回目 : 2016年3月、シリコン + 耳介軟骨(クローズ法) ▶ 3か月後から鼻が曲がり始めました。
2回目 : 2016年11月、曲がったシリコンの修正(クローズ法) ▶ 2017年春から違和感があり、徐々に曲がっていきました。
3回目 : 2018年、シリコンの再修正(クローズ法) ▶ 2019年秋から鼻のにおい、赤み、
鼻先に何かが見える状態でした。
4回目 : 2020年3月、シリコン抜去(クローズ法) ▶鼻先の硬さを和らげる注射を2回受けました。
5回目 : 2020年夏、SMR(ENT)
CC
シリコンを抜去してから鼻の形がおかしくなりました。冬頃から拘縮だと感じるようになりました。右側の呼吸がしにくい状態です。
P/E
拘縮により、鼻先の上向き、鼻先のつままれたような変形、鼻翼の挙上、鼻柱の曲がりがあります。

OP
鼻尖軟骨が拘縮によって固まり、上に引き上げられていました。 ▶
鼻尖軟骨周囲の瘢痕組織を除去・剥離して自由に動くようにし、
コルメラストラットと外側脚ストラット移植、そしてデローテーション移植を併せて行いました。

デローテーション移植によって鼻先が大きく下がり、鼻孔が隠れるようになりました。
鼻先のつままれたような変形も、外側脚ストラット移植によって著しく改善したことが確認できます。

鼻柱がまっすぐになり、鼻孔の対称性が良くなりました。

上を向いていた鼻先が自然に下がりました。